葬儀の費用
このページでは
「葬儀費用っていくらくらいかかるんだろう?」
「葬儀費用の相場や平均費用ってどうなってるの?」
「葬儀費用が払えない場合に助成金はあるの?相続税はかかるの?」
といったみなさんの疑問や悩み、心配を解消できるよう、葬儀の費用についてわかりやすく解説していきます。葬儀費用の相場や仕組みなどについてご紹介していきます。
上の図は「葬儀の全国平均費用、地域ごとの平均費用」をあらわしたものです。
2014年の日本消費者協会による調査では、葬儀の全国平均費用は「156.1万円」。地域別にみると、最も費用が高い地域は「関東A」(茨城・栃木・群馬・千葉)の200.5万円でした。一方、最も費用が低い地域は「中国」(鳥取・島根・岡山・広島・山口)の92.6万円となっています。なお、人口が最も多い「関東B」(埼玉・東京・神奈川)は152.7万円でした。
ただし、あとで詳しく述べますが、葬儀費用はどんな葬儀の種類を選ぶかによって大きく変わってきます。また、この調査自体、各地域の回答数が少ないため、あくまでも参考程度にしてください。
葬儀費用は、葬儀の種類や宗派など様々な条件によって異なります。一般的な仏式の葬儀費用の内訳を見ると、葬儀にかかる費用、寺院に支払う費用、飲食費や接待費用の3つに分けられています。葬儀費用の平均は120~200万円程度、寺院関係の費用は50万円超、飲食費等は40~50万円程度です。地域ごとに見ると、関東・中部地方は高額で、九州・沖縄あたりは比較的安い金額になっています。
また、同じ宗教であっても、葬儀の種類や形式はさまざまです。身内や関係者に周知して通夜や葬儀を行う一般葬の他、家族や親しい友人に限定して葬儀を行う家族葬、葬儀を行わずに火葬にする直葬、通夜を省略する一日葬などがあります。その他にも、特に大勢の参列者が予想されるときに行われる社葬や合同葬などが代表的なものです。一般葬が平均的な相場と考えると、規模の大きい社葬や合同葬は会場費や進行などの負担割合が大きくなり、かなり高額になります。逆に直葬や家族葬などは会場費や飲食費が抑えられるため、安くなりがちです。
葬儀において、追加料金が発生することもあります。よくあるケースが参列者が突然増えたことにより、飲食費や返礼品の費用が追加されるというものです。さらに、セットプランであってもオプションとして何らかの品物やサービスを追加した時、あるいはアップグレードした時には、当然料金が発生します。
このように、葬儀費用の予算建ては様々な条件が関わってきます。プランを選ぶときには不自然な金額になっていないか、追加料金はどれくらい必要か、含まれていないサービスがないかなどに注意して比較することが必要です。
それでは、葬儀費用の仕組みや種類、支払い方を具体的に見ていきましょう。
上の図は「葬儀種類ごとの平均費用」をあらわした図です。図を見ると、どのような葬儀をするかによって平均費用が大きく変わることがわかります。
葬儀の種類は、参列者の規模と、お通夜、告別式、火葬のうちどれを行うかによって決まります。つまり、葬儀は「行う儀式の内容」と「呼ぶ人数」によって費用感が変わってきます。
>> それぞれの種類の葬儀費用の相場や仕組みを詳しく知りたい方はこちら。
葬儀費用は大きくわけて4つの項目にわけられます。「行う儀式の内容」と「呼ぶ人数」が変動すると、費用感が大きく変わるカギはこの仕組みにあります。
お通夜、告別式、火葬のどれを行うかは「施設にかかる費用」と「葬儀の施工にかかる費用」に大きく関わり、参列者の規模が大きくなると「参列者のおもてなしの費用」が人数に比例して大きくなります。
そのため、種類によって項目ごとに違いが出ることで費用感も変わるのです。
このように、どの葬儀の種類を選ぶかによって相場や費用感は大きく変わってきます。費用を考えるときに平均費用は気になるところですが、葬儀の種類にかかわらず、それをひとつにまとめた平均費用という考え方は、参考程度と考えるのがいいでしょう。
大切なのは、どんな葬儀を、どのくらいの規模で行いたいのかを考えることです。本来、葬儀に標準や平均といったものはありません。亡くなった方やご遺族の想いをどう具体的なかたちにするのかが重要なのです。
とはいえ、どう具体的に考えればいいのかわからない部分も出てくるでしょう。そのときには、われわれくらべる葬儀をはじめとする専門家への相談が役立ちます。また、具体的な内容や予算が決まっているのであれば、複数社に見積もりをとることで費用を抑えることもできます。
葬儀では、通夜や葬儀を執り行うときに必要な葬儀一式費用、寺院等に納める宗教者への支払い、参列者にふるまう飲食接待費用という葬儀の3大費用が発生します。このうち最も費用が高額になりやすいのが葬儀一式費用で、通夜や葬儀に必要な祭壇や会場費、式場設備などの他、棺や寝台車なども含まれます。
どのような規模で、どういった内容の葬儀を行うのかによって見積金額が大きく変わってくるでしょう。というのも、一般的にはこの葬儀一式費用が葬儀費用全体の半分近くを占めることになるからです。さらに、こちらに含まれている祭壇や棺等はそれぞれに何種類かのグレードに分かれているため、高額なものを選ぶとどんどん費用が高くなる項目です。
宗教者への支払いとは、葬儀を執り行う寺院等に支払う費用です。仏式で言えば読経料や戒名料等がこれに該当します。細かい内訳や金額等は宗教によっても依頼する寺院等によっても異なるため、どれくらいを包めばよいのか前もって確認しておくと良いでしょう。こちらは、相場や明確な料金表などが存在しないために金額の開きが大きいですが、一般的には葬儀費用全額の内大体2~3割程度を占めるといわれています。なお、宗教者への支払いは埋葬や後々の法事、お盆など今後も発生してくるものです。ある程度長期的に予算として確保しておくと良いでしょう。
飲食接待費用というのは、その名の通り参列者に告別式を終えてからふるまう飲食費が大半を占めています。また、香典に対する返礼品の費用もこちらの項目に加えられており、葬儀の規模や参列者の人数によって金額の差が大きい項目です。これらは当日になって参列者の人数が変わることもよくあるため、葬儀費用の見積もりでは大体の人数を予測して算出し、葬儀を終えてから正確な金額を出すことになります。
当然、一般葬のようにある程度まとまった人数の参列者がいる場合にはこの費用負担は大きくなり、直葬や家族葬のような小規模な葬儀であれば、ほとんど発生しません。平均値で見れば、トータルの葬儀費用の内2~3割程度が飲食接待費用に充てられるといわれています。
葬儀は支出も大きいですが、収入もある程度見込めるため、それも考慮して費用の目安を設定することが多いです。例えば、平均的な葬儀の支出に合わせて葬儀費用を設定したとしても、付き合いが広い世帯ならば香典が多く入ってくるため大きな負担にはなりません。逆に高額の葬儀を行ったとしても、参列者が少なければ香典の収入が少なくなって、支出が大きくなるでしょう。また、一般的な葬儀でどれくらいの収入が見込めるのかを把握しておかなければ、そもそもどれくらい自己負担が発生するのかを予測するのも困難です。
葬儀における平均的な収入は、大きく分けて3種類あります。中でも、割合が大きいのが香典で、通夜や葬儀の参列者だけでなく、弔問に訪れた人からもいただくことがあるため、葬儀の規模に比例するとは言い切れません。香典はもともとは仏式葬儀に見られる礼法でしたが、その後徐々に他の宗教にも浸透していき、現在では一般化しています。葬儀の規模や故人、遺族の人脈にもよりますが、平均すると79万円程度の収入です。
また、各種健康保険組合からの給付もあります。これは、加入者が亡くなったときに埋葬代や葬儀費用の補助として支給されるもので、平均すると5万円程度です。ただし、加入している組合によって金額に開きがあり、中には20万円近い支給を受けられるケースも見られます。これは、葬儀の有無や規模に関係なく支給されるため、家族葬の場合でも手続きを取っておくとよいでしょう。香典と健康保険組合等からの支給については、事前に手続きを取っていなくても収入が見込めます。
一方、前もって準備をしておくことで得られる収入もあります。民間の生命保険には葬儀費用を組み込んだものがあり、故人がそれに加入していれば死亡保険金の他に葬儀費用が給付されるのです。もちろん、葬儀費用として生命保険に加入しておくこともできますし、葬儀保険として用意されている、1年程度の短期の保険に加入するという方法もあります。保険金は契約によりますが、200~300万円に設定しておくと葬儀費用はほぼ全額賄うことができるでしょう。
葬儀の支出についても、地域や宗教、グレードなどによって大きな開きが見られます。アンケートによると、葬儀費用の全国平均額は190.5万円程度とされていますが、この金額よりも安く抑えたからといって必ずしも葬儀の質が落ちてしまうわけではありません。葬儀費用の内訳について平均値を見ていくと、飲食接待費が30万円程度、寺院等に支払うものが50万円弱、葬儀にかかる一式の費用が120万円程度となっています。このことから、葬儀支出の平均は大体200万円程度であり、香典と健康保険組合からの支給を考えると実際の自費での支払いは100万円前後です。
葬儀の質を落とさずに支出を抑えるためには、前もって準備をしておくことが重要です。短期加入になる葬儀保険などは、余命宣告をされている人や終活をしている人が加入することが多く、実際に葬儀費用が発生した時に非常に役立つでしょう。また、一部の葬儀社や互助会では、事前に積み立てをしておくことで、実際にかかる葬儀費用の3~5割程度の割引が受けられます。いざというときに利用したい葬儀社が決まっている場合には、その葬儀社からパンフレットなどをもらっておいて、時間があり正常な判断ができるうちに適正価格のプランを検討しておくと良いでしょう。
他にも、DIY葬というものがあります。一般的な葬儀まで行うつもりがなく、自分たちだけで葬儀を執り行いたいというときには、手間はかかりますが10万円もしない葬儀が可能です。ただし、火葬場の手配や宗教者への連絡、飲食代や返礼品、葬儀に必要な品々の準備などを自分で行わなければならないため、手間がかかっても費用を押さえたいという場合に検討しましょう。お坊さんを派遣するサービスもあるため、手間を惜しまなければ本格的な葬儀も可能です。
なお、緊急に葬儀をしなければならないときには、葬儀社に依頼して正規の金額でプランを申し込まなければなりません。そんな時には、一括見積を利用すれば、葬儀プランの中でもコストパフォーマンスが高いもの、必要なものだけが含まれているプランなどが見つけやすいです。いずれにしても、葬儀に関する知識はある程度持っておいた方がいざというときに安心できます。
「お葬式をあげるには、どのくらいのお金がかかるの?」、「葬儀費用の仕組みがよくわからない……」。葬儀費用に関する疑問や悩み、心配はこのページで解決。もしものときは突然やってきます。そんなときにあわててしまわないよう、知識をしっかり身につけましょう。
葬儀の種類によって費用の考え方が大きく変わってきます。それぞれの葬儀の種類ごとの費用相場や仕組みについてみていきましょう。
葬儀費用を考えるうえで重要なのは、葬儀費用の仕組みを知ることです。トラブル防止のためにもきちんと理解することが大切です。
葬儀費用の支払いについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をお読みください。
葬儀にかかる費用は決して安いものではありません。そのため失敗しないようにしたいものです。葬儀のトラブルを、その傾向や事例をとおして回避方法を学びましょう。