葬儀費用の仕組み

自宅葬の費用を考えるために知っておきたいこと

自宅葬とは外部の式場を使わずに、自宅で葬儀を執り行う葬儀です。主に故人を住み慣れた自宅で見送りたいと考えている方に選ばれています。自宅葬とは、故人が住んでいた自宅などで執り行われる葬儀のことをいいます。自宅葬は主に、家で時間を気にせず故人を見送りたいという人に選ばれることが多い葬儀の形式です。今回は自宅葬の費用相場や注意点、メリットなど自宅葬の費用を考えるために知っておきたいことを紹介します。また、自宅葬がアパートやマンションで執り行えるかどうかについても解説します。

(写真提供:株式会社日本典礼)

自宅葬の費用相場

自宅葬には葬儀社を通さずにさまざまな手配を進める方法と、葬儀社を利用して準備を進める方法の2つがあります。葬儀社に依頼する場合、自宅葬の費用相場は40万円から100万円ほどです。多くの葬儀社が自宅葬を取り扱っているため、葬儀社によって自宅葬の費用には幅があります。式場を使用して通夜から告別式まで執り行う場合200万円ほどの費用がかかってしまいますが、自宅葬はそうした一般的な葬儀と比較して安く済ませることができます。自宅葬を取り扱っている葬儀社の中でも、特に安いといわれているのが葬儀仲介業者のサービスです。葬儀仲介業者に依頼して自宅葬を執り行う場合の費用相場は40万円から60万円ほどと、価格にあまり幅がないのも特徴です。

葬儀社に自宅葬を依頼した場合、自宅で執り行うことを除いて一般的な葬儀と変わらない流れで進められます。まず、葬儀社へ連絡をすると病院など故人が亡くなった場所へ寝台車が手配されます。寝台車で自宅や安置施設へ遺体を安置したあとは、葬儀の打ち合わせや火葬の手続きなどが行われます。納棺の儀式や遺影写真など葬儀に必要なものの準備を整えたのち、告別式や火葬が執り行われるといった流れです。自宅葬を取り扱う葬儀社では、多くの場合葬儀に必要なサービスがプランに含まれています。プランの範囲内で自宅葬を執り行えば、追加料金もかからず費用を安くすることができます。

また、葬儀では弔問客へ通夜振舞いや精進落としなどを振舞うのが一般的です。料理を提供するとなると、葬儀の費用に加えて1食2,000円から6,000円ほどの飲食接待費がかかります。また、葬儀後には参列してくれたことへのお礼として渡すハンカチや塩、お茶などの会葬返礼品を用意する必要もあります。会葬返礼品の相場はだいたい500円から1,000円ほどです。料理や会葬返礼品は人数分用意する必要があるため、弔問客が多くなればなるほど費用もそれに応じて高くなります。けれども、自宅葬は基本的に遺族と親戚のみ、あるいは親しくしていた友人を加えて少人数で執り行われます。一般的な葬儀に比べ弔問客が少ないため、飲食接待費にかかる費用も節約できます。

自宅葬の注意点

費用を安く済ませることができる自宅葬ですが、執り行う際には注意しておきたいこともいくつか存在します。まず、自宅葬の際には、葬儀を執り行えるだけの十分なスペースを用意する必要があります。通常は、最低でも6畳ほどの部屋があれば自宅葬ができるといわれています。ただし、参列者の人数や祭壇のサイズなどによって、6畳ほどのスペースが1つだけでは足りないこともあります。また、葬儀を執り行う部屋とは別に食事をする場所の確保も必要です。十分なスペースを作るために部屋にある物の移動や掃除が必要になるなど、自宅葬には何かと手間がかかることも多いです。

自宅で葬儀を執り行う際のもう1つの注意点として、近隣への配慮をしなければならないことがあげられます。住居状況にもよりますが、隣の家が自宅と密接している場合や集合住宅で行う場合などは、特に周囲へ配慮する必要があります。自宅葬では棺や参列者の出入りが発生するほか、人が集まることによって話し声や物音などが普段より大きくなるからです。こうした人の出入りや音が迷惑にならによう、事前に近所の方へ声かけをしておくことがトラブル防止にも繋がります。また、駐車スペースがないと道路などに車を停める参列者が増え、近隣住民の通行を妨げてしまうこともあります。参列者が多くなる場合は駐車場の確保をするなど、周囲の環境にも配慮する必要があります。

さらに、自宅葬はさまざまな準備や作業をしなければならないため、体力的にも精神的にも一般的な葬儀より負担がかかります。中でも、参列者を限定せず一般葬の形式で行う際には受付や食事する場所の用意が必要ですが、スペースが足りない場合は庭や近隣にテントを張るなど更に負担がかかってしまいます。葬儀社に依頼することで手続きなどの負担は減るものの、基本的に自宅葬は自分たちである程度準備する必要があることも注意すべきポイントです。葬儀社を介さず自宅葬を行う場合は手続きや式の進行、必要なものを揃えるなど全て自分たちで行う必要があります。葬儀社に依頼するよりも費用が安く済むというメリットがありますが、負担もそれだけ増えてしまいます。

自宅葬を検討されている方に向けて、費用を考えるために知っておきたいポイント、自宅葬をするためにクリアしなければいけない条件、実際に自宅葬を行った場合の費用感などを、株式会社日本典礼 取締役社長の村田さんに伺いました。

自宅葬の準備にはどうしても負担がかかってしまう

――自宅葬を希望される方にはどのような方がいらっしゃいますか。

最後まで故人さまを自宅でいさせてあげたい、自宅から出棺したいという方がほとんどです。

昔は、葬儀をする場所が近所にないから、自宅で行いますという方もいらっしゃったのですが、特に都内の場合、専用の葬儀会館が多くなっているので、そういう方は今はあまりいらっしゃいません。
やはり葬儀会館のほうが、葬儀に必要なものがあらかじめ会場に揃っているので、気兼ねなく葬儀を執り行えますし。われわれの会社でも自宅葬自体は年に1、2回と減ってはきていますね。

――やはり自宅での葬儀の準備は大変なのでしょうか。

そうですね。まず、自宅を葬儀会場にするための準備が大変です。
葬儀を行うにあたって、家の中のものを片づけたり、移動したりとか。ほかにも参列者の方々がお食事するのであればどこでお食事するのかとか、そういうのもいろいろなことを決めていかなければならないので、非常に手間がかかるのは事実です。

また、参列者の多い一般葬の形式でやる場合は、家のスペースではできないこと、たとえば記帳してもらうための受付や、食事する場所を作るために、テントを張らなければいけないなど、場所の確保の問題もあります。

このようにいろいろな条件が必要になってくるので、どんどん自宅葬がなくなっていったという事情があります。

自宅葬を行うための絶対条件は、棺を出せる動線があるか

――自宅葬をされたい方はどういうことに気を付けなければいけませんか。

まず自宅葬を行うための絶対条件が、棺を出せる動線があるか、ということです。
出棺の際、葬儀を行う部屋から玄関まで、棺を寝かせたまま出棺できるかどうか。「冷蔵庫は入ったんですけど」という方もいらっしゃいますが、出棺の際に棺を立てるわけにはいきません。そういう理由で自宅葬を断念される方もいらっしゃいます。

あとは、葬儀を行う部屋の中に祭壇を飾り、棺を置き、お坊さんのスペースを確保し、さらには参列者が座れる場所も考えなくてはなりません。家の大きさにもよりますが、自宅葬はどうしても参列者の人数も限られてしまいます。

実際にいま自宅葬をされる方は、家の中に入れるだけの人数、家族や近い親族のみをお呼びし、小規模で行う方が多いですよね。

――マンションでも自宅葬はできるのですか?

自宅葬をされてる方はほとんど一軒家です。ただ先ほど申した通り、ご自宅のお部屋から棺が出れば問題はないので、マンションでも自宅葬はできます。
一番注意しなければいけないのは、エレベーターに棺を乗せることができるか。エレベータに棺が入るかどうかと、おうちの中で棺が玄関や式場から外に棺が立てたりしないで、普通に曲がって出せるかどうかですよね。

――一番の決め手は棺の問題ということですね。

自宅で行うかどうかは、手間と費用感を比較して決めたほうがいい

――自宅葬は式場を使わないぶん、費用がかからないという声もありますが。

どのようなかたちで、どういう規模でやるかによって、費用感は全然変わってきます。
確かに式場費はゼロですが、普段使われているお部屋を葬儀会場にするための費用は必要になります。たとえば、本棚やタンスなどの家具を見えなくするために、葬儀を行うお部屋を白い幕で貼る必要がある。6畳のお部屋に張っただけでも、3万円くらい費用がかかります。

自宅葬で一番問題になるのは、たくさんの方々を呼ぶ場合です。
自宅に入りきれない参列者のために、テントを張るとなると、そのぶん費用はかかってしまいます。もちろんテントを張るスペースがそもそもあるかという問題もあります。公道には絶対に張ることはできないので、テントを張れるほどのお庭の広さがあるのかとか。

近くに公営斎場がある場合は、式場費用はそんなにはかかりません。
費用面から自宅葬という選択肢を考えてらっしゃる方は、斎場で行った場合の見積もりもとっていただき、比較検討されたほうがいいと思います。

――さらに自宅葬を行うための手間や準備も考慮に入れて、選ぶのがいいということですね。

そうですね。

最後になりますが、もし自宅のような雰囲気で葬儀を行いたいという方は、そのような雰囲気の式場もあります。
たとえば谷塚斎場(埼玉県草加市)には「昴」という施設があるのですが、これはもともと一軒家だった建物を改装して、式場にしたというものです。まるで自宅にいるような感覚で葬儀を行うことができるので、そういう雰囲気の葬儀を求める方にはおすすめしています。

自宅葬のメリット

自宅葬のメリットとしてあげられるのは、まず時間を気にせずゆっくりと最期のお別れができることです。式場を借りて葬儀を執り行う場合、施設によって滞在できる時間は限られています。そのため、ゆっくりとお別れをすることは難しいですが、自宅なら時間の制限はなく故人と最期の時間を過ごすことができます。遺族や親戚、友人などで故人に付き添い、思い出話をするなど最期の時間にゆとりを持てるのが自宅葬のメリットです。また、自宅であれば参列する人にとっても場所が分かりやすく、葬儀の際はすぐに駆けつけることができます。遺族や親戚など見送る側にとって自宅での葬儀にはこうしたメリットがあります。

自宅葬は故人にとって住み慣れた家にいさせてあげたい、自宅から出棺したいという遺族の願いを叶えることができます。慣れ親しんだ家で家族が中心となって葬儀ができるため、借りた式場で行うよりも落ち着いた空間のなか自由な形式で執り行えます。自宅葬なら会社や知り合いなどの弔問を避けて、ごく親しい人だけを招き葬儀を執り行うことも可能です。思い出深い人達だけで、故人と遺族の希望通りに葬儀を執り行えるのも自宅葬のメリットの1つです。高齢で参列者が少ない場合や生前ひっそりとした葬儀を望んでいた故人の希望も、自宅葬なら叶えることが期待できます。

式場を借りる際に発生する会場費など、葬儀にかかる費用が安く済むのも自宅葬のメリットです。弔問客が多く訪れるとそれだけ大きな式場を借りる必要があり、費用が高くなってしまうこともあります。多くの弔問客が訪れると香典もそれだけ多く集まりますが、香典だけでは葬儀の費用を賄えないといったことがほとんどです。自宅葬なら招く人を親戚や友人など親しい人のみに限定することができるため、会場費や飲食接待費などの出費を抑えることができます。逆に弔問客が少ないケースでも、自宅で葬儀を執り行った方が会場費を抑えられるというメリットがあります。自宅に葬儀を行えるだけの十分なスペースがあり、少しでも葬儀にかかる費用を抑えたい場合は自宅葬を検討してみるのも1つの方法です。

自宅葬はアパートやマンションでもできるの?

自宅葬は適切な手順を踏めば、アパートやマンションでも執り行うことができます。自宅葬を執り行う際まず故人を自宅へ運ぶことになりますが、安置するにあたって死亡診断書と火葬・埋葬許可書を携帯している必要があります。死亡診断書と死亡届は、死亡したことを確認した病院から受け取ることができる書類です。火葬・埋葬許可書は、死亡診断書と死亡届を役所に提出すると受け取ることができます。この2種類の書類があれば法律上問題なく自宅へと遺体を安置することができます。もし、これらの書類を携帯していない場合、法律上問題が発生してしまう可能性があるため注意が必要です。なお、葬儀社に自宅葬を依頼すると、こうした書類を代行して入手してくれることがあります。

アパートやマンションで葬儀を執り行う場合、ポイントとなるのが棺を運び入れることができるかどうかです。エレベーターがあるマンションでは、事前にエレベーターに棺を乗せることができるかを確認する必要があります。長さのあるものを乗せられず、自宅へ運ぶことができないとなると自宅葬をすることも難しくなってしまいます。通路や階段、玄関口が狭い場合も棺を運び入れることが難しくなってしまう可能性があるため、自宅までの経路に十分なスペースがあるかどうかも確認すべきポイントです。さらに、アパートやマンションで葬儀を行う際はこっそりと執り行うようなことは避け、マナーとして近隣の人に許可を得ておくことも大切です。

また、自宅葬を葬儀社に依頼しない場合は、自身で病院から自宅へ遺体を安置する必要があります。自宅へ運び入れるのに必要な死亡届の提出も自身で行い、火葬場の予約や手続きも済ませます。棺や骨壺、安置用のドライアイスや防水シーツ、遺影写真など安置や葬儀に必要な物も自身で用意します。その他にも、僧侶を呼んで経を読んでもらう場合、その手配や枕飾りなど物品の用意も必要です。加えて、火葬場への遺体の配送も自分たちで行うといった手間がかかります。自分たちで自宅葬の準備をする際は手続きについて入念に調べたり、必要なものを揃えたりするなど事前の準備をしておかないと葬儀を執り行うのは難しいといわれています。

まとめ

自宅葬は式場を借りて執り行う通常の葬儀と比較して、大幅に出費を抑えることが期待できる形式の葬儀です。式場を借りないため会場費がかからず、遺族や親しい人のみで葬儀を執り行えるので飲食接待費も抑えられます。ただし、香典の額が減ってしまう可能性があることや、さまざまな準備をしなければならないことにも注意が必要です。例えば、葬儀のスペースを確保するために家具の配置転換や家の掃除を行い、葬儀が終わった後の片付けも自分たちでするなど手間がかかります。

また、親戚や友人など親しい人だけを招き執り行える自宅葬ですが、故人の死を知った弔問客が身内だけで行われることを知らずに葬儀に訪れる可能性もあります。身内だけで執り行いたいと考える場合、知り合いには葬儀が終わってから故人の死を知らせるなどする必要があります。さらに、葬儀後に知らせた場合にも、葬儀に参列できなかったので後日自宅へ弔問しようと考える人が多いことに注意が必要です。葬儀が終わってひと段落とはいかず、自宅に訪れる弔問客一人ひとりに対応しなければならない可能性もでてきます。弔問客への対応に追われることも考えた上で、身内だけの自宅葬にするかどうかはじっくりと検討してみることが重要です。

昔は一般的だった自宅葬という形式も、自宅にスペースがないなどの住宅事情やかかる手間などから式場を借りて葬儀を執り行う人が多くなってきています。しかし、自宅葬は必要な書類の用意や近隣への挨拶、スペースの確保など事前の準備をしていれば、アパートやマンションでも行うことができます。また、手間はかかりますが、葬儀会社を介さずに自宅で葬儀を行うといった方法もあります。準備にかかる手間や作業が多いものの、時間を気にせずにゆっくりと故人を見守りたいという遺族にとってはメリットが多いのも自宅葬の特徴です。例えば、住み慣れた場所で慣れ親しんだ人のみで葬儀を行いたい場合や、費用を極力抑えたいという場合に自宅葬は選ばれています。ただし、自宅で葬儀を執り行う際は必要な物や準備するべきことをしっかりと調べたうえで、手間と費用を比べてから行うことが大切です。

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